2024.10.11
【法人化しようか迷っている経営者必見】個人事業主から法人化へ!税務上の10の決定的な違いとメリット・デメリット

こんにちは!税理士法人大下会計の公認会計士・税理士、大下 俊樹です。
事業が軌道に乗り始めた経営者のみなさまから、「そろそろ法人化したほうがいいでしょうか?」「個人事業と法人で、税務上何が具体的に違うのですか?」というご相談を数多くいただきます。
今回は、提供いただいた資料の正確なデータに基づき、法人と個人の税務上の取り扱いの違いから見えてくる法人化のメリット・デメリットを分かりやすく解説します!
1. 法人と個人の税務上の取り扱い比較表
まずは、法人と個人で各税務項目がどのように異なるのかを一覧でご確認ください。
項目 | 法人の場合 | 個人の場合 |
|---|---|---|
税率 | 所得が800万円までであれば約23.4%、800万円を超える部分については約35%となり、所得が多くても税率は一定。 | 最高税率は55%であり、所得が多いほど税率が高くなってしまう。 |
健康保険 | 役員報酬に対してだけ健康保険がかかるため、役員報酬の金額を小さくすれば健康保険の金額を低く設定できる。また、配偶者を扶養に入れることができる。 | 所得に対して国民健康保険がかかるため、所得が多ければ健康保険が高くなる。ただし、配偶者を扶養に入れることができない。 |
年金保険 | 役員報酬に対して厚生年金がかかるため割高にはなるが、将来もらえる年金の金額が増える。また、配偶者を扶養に入れることができる。 | 所得に関係なく一定の金額の国民年金がかかるため割安になる場合が多い。ただし、配偶者を扶養に入れることができない。 |
交際費 | 年間支払額800万円という制限はあるが、業務に関連する接待も経費計上できる。例:JC・ロータリークラブ等の異業種団体の会費も費用計上できる。 | 年間支払額の制限はないが、業務と直接関係する接待しか経費計上できない。例:見込み客との飲み代やJC・ロータリークラブ等の異業種団体の会費は原則費用計上できない。 |
宿泊日当 | 出張規程を作成すれば、宿泊日当の計上ができる。 | 宿泊日当の計上ができない。 |
配偶者の給料 | 役員になれば、非常勤役員として役員報酬を取ることができる(勤務実態や担当している業務などを勘案する。) | 専従者給与により費用計上できるが、年間勤務時間が半分以上なければいけないなど制限がある。 |
社宅 | 家賃を個人から取る必要があるが、小規模住宅の場合、その家賃の金額は所定の算定式により、低く設定するすることができ、社宅の減価償却費や地代家賃を計上できる。 | 事務所兼自宅の場合、事務所の使用割合部分のみ減価償却費や地代家賃を計上できる。 |
役員退職金 | 役員を退任する時に役員退職金を支給することができる。 | 退職金の支給ができない。 |
2. 法人化のメリット
① 高所得になっても税率は一定(高い節税効果)
個人の最高税率は55%に達するため、利益が出るほど税負担が急増します。一方、法人であれば所得800万円までが約23.4%、800万円を超える部分も約35%と一定であるため、所得が大きくなるほど大きなメリットがあります。
② 経費(費用計上)の範囲が大幅に広がる
交際費: JC・ロータリークラブといった異業種団体の会費も、年間800万円の制限内で経費計上可能です(個人では原則不可)。
社宅: 小規模住宅の場合、低額な家賃を個人から取るだけで、社宅の減価償却費や地代家賃を計上できます(個人は事務所使用部分のみ)。
宿泊日当: 出張規程を作成することで、宿泊日当を計上できるようになります(個人は不可)。
③ 役員報酬・役員退職金の活用
個人事業の専従者給与では「年間勤務時間が半分以上」という制限がありますが、法人なら配偶者が非常勤役員であっても役員報酬を受け取ることができます。また、将来の退任時に役員退職金を支給できる点も法人ならではの強みです。
但し、勤務実態や担当している業務、会社への貢献度からかけ離れた金額の役員報酬もしくは役員退職金を支給してしまうと、課題役員給与として経費計上が認められない可能性がありますので、注意が必要です。
④ 社会保険での「配偶者の扶養」が可能
個人事業の国民健康保険・国民年金では配偶者を扶養に入れることができませんが、法人の健康保険・厚生年金であれば配偶者を扶養に入れることができます。
3. 押さえておくべき「法人化のデメリット・注意点」
① 役員報酬の設定による社会保険料の影響
個人事業の国民健康保険は「所得」に対してかかりますが、法人では「役員報酬」に対して健康保険がかかります。役員報酬の金額を小さくすれば健康保険料を低く設定できますが、報酬額の設定には注意が必要です。
② 年金保険料の負担(将来の給付とのトレードオフ)
国民年金(個人)は所得に関係なく一定額で割安な場合が多いですが、法人の厚生年金は役員報酬に応じてかかるため割高になります。ただし、割高になる分「将来もらえる年金の金額が増える」というメリットにもなります。
4. 経営者のみなさまへ
法人化は、単なる節税にとどまらず、経費の幅を広げ、将来の資産形成(退職金)やご家族の保障面でも大きなメリットを生み出します。
「自分の現在の利益水準で法人化すべきか?」「役員報酬や社宅の設計はどうすれば最も効果的か?」など、疑問や不安をお持ちの経営者様は、ぜひ税理士法人大下会計へご相談ください。貴社の成長を全力でサポートいたします!
<執筆・監修>

税理士法人大下会計 公認会計士・税理士・行政書士 大下 俊樹
大学在学中に公認会計士試験に合格し、BIG4であるKPMG有限責任あずさ監査法人で上場企業や金融機関、自治体などの監査業務に従事。
大下会計では、香川県高松市の上場企業や卸売業、メーカー、医療法人など様々な業種の税務顧問業務を行い、組織再編やM&Aの仲介、買収監査、財務支援、会計監査などの業務も行っている。
ジャーナル一覧に戻る
お問い合わせ
お仕事のご依頼、お見積もり、ご相談は
こちらからお問い合わせください。
CONTACT
