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2024.10.11

設備投資を最強の節税チャンスに変える!「経営力向上計画」を活用した即時償却・税額控除の完全ガイド

こんにちは。税理士法人大下会計、公認会計士・税理士・行政書士の大下俊樹(おおした としき)です。

日々、多くの経営者様から「事業拡大のために新しい設備を導入したいが、資金繰りや税金が心配だ」「今期は利益が出そうなので、効果的な節税対策はないか」といったご相談をいただきます。

そんな経営者様に、私たちは自信を持って国の認定制度である「経営力向上計画」を活用した税制優遇措置(中小企業経営強化税制)をご提案しています。

この税制は、国から経営力向上計画の認定を受けることで、導入した設備の「即時償却(投資額の全額をその期に一括経費化)」または「最大10%の税額控除(税金そのものを直接引き算)」を選択できる、中小企業にとって極めて強力な節税ツールです。

今回は、この制度の仕組みから、どちらを選択すべきかの判断基準、そして最も重要な「手続きの罠」まで、税理士の視点からわかりやすく徹底解説します!


1. そもそも「経営力向上計画」とは?

「経営力向上計画」とは、人材育成、コスト管理、設備投資などを通じて、自社の経営力を向上させるために作成する計画書のことです。

「計画書」と聞くと、「作成が難しそう」「何十ページも書かなければいけないのでは?」と身構えてしまうかもしれません。しかし、ご安心ください。 実際の申請書様式は実質3枚程度と非常にシンプルに設計されており、比較的取り組みやすいのが特徴です。

この計画を策定し、国の認定(主務大臣等の認定)を受けることで、今回ご紹介する中小企業経営強化税制をはじめとした、様々な支援措置(税制措置、金融支援、法的支援など)を受けることができるようになります。


2. 【超強力】即時償却 vs 税額控除、自社はどちらを選ぶべき?

本税制の最大の魅力は、設備を取得した事業年度において、「即時償却」または「税額控除」のいずれか有利な方を選択できる点にあります。どちらを選択するかによって、キャッシュフローや税務効果が大きく異なります。

① 即時償却(特別償却)

  • 効果: 取得した設備の購入価額の「全額(100%)」を、取得した事業年度に一括して減価償却(経費化)できます。

  • メリット: 通常であれば数年〜十数年かけて分けて経費化していく設備投資を、初年度に一気に経費にできるため、その期の利益を大幅に圧縮し、法人税を劇的に減らすことができます。手元にキャッシュを早く残したい場合や、今期の突発的な大きな利益を抑えたい場合に最適です。

  • ※注意:所有権移転外リース取引によって取得した設備については、特別償却(即時償却)は適用できません(税額控除は適用可能です)。

② 税額控除

  • 効果: 設備の取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)を、その期の法人税額から直接差し引くことができます。

  • メリット: 即時償却は「課税の繰り延べ(支払うタイミングを先延ばしにする効果)」であるのに対し、税額控除「税金そのものが直接安くなる(免除される)」ため、トータルの納税額を減らす意味では最もおトクな選択肢になります。

  • ※控除上限:その事業年度の法人税額の20%が上限となります。ただし、上限を超えて控除しきれなかった金額は、1年間に限り翌事業年度への繰越しが認められています。

公認会計士・税理士が教える、選択の判断基準!

  • 「今期、とにかく利益が大きく出ていて、今すぐキャッシュアウト(納税)を抑えたい!」 👉 圧倒的に「即時償却」がおすすめです。初年度の資金繰りを最大化できます。

  • 「利益は安定しており、中長期的に見てトータルの納税額を一番減らしたい!」 👉 「税額控除」がおすすめです。税金そのものが直接減るため、確実なコストカットになります。


3. 対象となる「中小企業」と「設備」の満たすべき基準

非常に魅力的な制度ですが、適用を受けるには「企業規模」と「設備の種類」の双方で要件を満たす必要があります。

適用を受けられる中小企業者等の範囲

主な要件は以下の通りです。

  • 資本金または出資金の額が1億円以下の法人

  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業主・法人

  • ※ただし、資本金1億円以下の法人であっても、大企業(資本金1億円超の法人等)から2分の1以上の出資を受けている「みなし大企業」や、過去3年間の平均所得金額が15億円を超える法人は対象外となります。

対象となる設備と金額の基準(新品に限る)

対象となる設備は「新品」に限られ、設備の種類ごとに以下の最低取得価額(1台あたり等の金額)が定められています。

  • 機械装置: 160万円以上

  • 器具備品・工具: 30万円以上(※測定工具・検査工具なども含みます)

  • 建物附属設備: 60万円以上

  • ソフトウェア: 70万円以上

E類型のみ、建物及びその附属設備の取得価額合計額が1,000万円以上の設備について、特別償却(15%もしくは25%)、税額控除(1%もしくは2%)の適用が認められています。

さらに、設備投資の目的に応じて、以下の4つの類型(A〜E類型)のいずれかに該当し、それぞれに対応する証明書や確認書を取得する必要があります。※C類型については、令和7年4月1日をもって廃止。

  • A類型(生産性向上設備): 旧モデルに比べて生産性(生産効率やエネルギー効率等)が年平均1%以上向上する設備。【工業会等の証明書】が必要です。A類型による申請については、所轄官庁へ申請するのみであるため、手続が簡便です。

  • B類型(収益力強化設備): 年平均の投資利益率が5%以上見込まれる投資計画に係る設備。【経済産業局の確認書(事前に公認会計士や税理士の確認が必要)】が必要です。

  • D類型(経営資源集約化設備): M&A後の投資等で、修正ROAまたは有形固定資産回転率の改善が見込まれる設備。【経済産業局の確認書(事前に公認会計士や税理士の確認が必要)】が必要です。

  • E類型(経営規模拡大設備等):売上高100億円超を目指す企業等で、年平均7%以上の投資利益率が見込まれ、投資額が1億円以上または前期売上高の5%以上である設備。【経済産業局の確認書(事前に公認会計士や税理士の確認が必要)】が必要です。


4. 【絶対に防ぎたい失敗】最大にして最凶の落とし穴「手続きの順番」

この税制優遇を活用する上で、最も多くの経営者様が失敗し、涙をのむポイントが「手続きの順番」です。

どれほど素晴らしい計画を描き、要件を満たす高性能な設備を購入したとしても、順番を1つ間違えるだけで、即時償却も税額控除も一切受けられなくなってしまいます。

原則は「計画認定を受けてから設備を取得(引き渡し)」

最善かつ最も安全なスケジュールは、以下の通りです。

  1. 工業会の証明書が入手でき、A類型で申請できるかどうか検討する

  2. 工業会の証明書の入手ができなければ、B類型などで申請できるかどうか検討する

  3. 「経営力向上計画」を申請する

  4. 計画の「認定」を主務大臣から受ける(申請から約30日かかります)

  5. 設備を取得(購入・引き渡し)し、事業の用に供する

  6. 税務申告で優遇税制を適用する

必ず「認定が先、設備の購入が後」と覚えておいてください。

どうしても先に設備を購入しなければならない時の「例外ルール」

ビジネスのスピード上、認定を待てずに先に設備を導入しなければならないケースもあるかと思います。その場合、以下の「2つの時間制限」を1日でも超えるとアウトになります。

  • 【注意点1】取得日から「60日以内」の申請受理 設備を取得した日(引き渡し日)から60日以内に、経営力向上計画が国に「申請され、受理」されなければなりません。

  • 【注意点2】「事業年度末」までの計画認定 ここが最大の盲点です。どれだけ60日以内に申請したとしても、その企業の「事業年度末(決算日)までに認定」が完了していなければ、その期での税制適用は不可能です(翌期にズレて適用することもできません)。

申請から認定までは通常約30日(複数省庁にまたがる場合は45日)の標準処理期間がかかります。 例えば、3月決算の会社が2月に設備を取得した場合、引き渡しから60日以内(4月中旬まで)に申請すれば良いと思いがちですが、実際には3月31日までに「認定」を受けなければならないため、2月中に大急ぎで申請し、決算日までに認定をもらう必要があります。


5. 経営力向上計画の策定は、信頼できる専門家への相談が近道です

「経営力向上計画」は、自社単独で作成することも制度上は可能ですが、

  • 自社の設備がまずA類型に該当するかどうか工業会の証明書の入手ができるかどうか確認、難しければ、B類型からE類型を検討

  • メーカーや工業会との証明書発行手続きのやり取り

  • 投資計画書(B・C・E類型)の作成と、公認会計士・税理士等による事前確認書の取得

  • 決算期を見据えたタイトな申請スケジュールの管理

これらを日常業務の合間に行うのは、非常に大きな負担であり、一歩間違えれば税制メリットを失うリスクを伴います。

私たち税理士法人大下会計は、国の認定を受けた「認定経営革新等支援機関」です。また行政書士の資格に基づき、経営力向上計画の申請代行も承っております。

「この設備投資、税制優遇が使えるかな?」と少しでも思われたら、設備を発注される前に、ぜひお気軽に税理士法人大下会計へご相談ください。経営者様の攻めの投資を、税務・財務の力で全力でバックアップいたします!


6.申請に要する費用

弊社では、経営力向上計画の申請代行を行っております。料金は、申請しようとする設備の金額や数により変動します。※サービスは、大下会計行政書士事務所で提供します。

項目

料金(税抜)

経営力向上計画当初申請

70,000円~

経営力向上計画変更申請

20,000円~


【最後に問いかけ:貴社のその投資、そのまま進めて大丈夫ですか?】

これから予定している設備投資、何もしなければ通常の減価償却として何年もかけて少しずつ経費化していくだけになってしまいます。 せっかくの投資を「最大の節税チャンス」に変え、会社のキャッシュを最大化するために、まずは「経営力向上計画」の準備から始めてみませんか?

皆様からのご連絡を、心よりお待ちしております。

<執筆・監修>

税理士法人大下会計 公認会計士・税理士・行政書士 大下 俊樹

大学在学中に公認会計士試験に合格し、BIG4であるKPMG有限責任あずさ監査法人で上場企業や金融機関、自治体などの監査業務に従事。
大下会計では、上場企業や卸売業、メーカー、医療法人など様々な業種の税務顧問業務を行い、組織再編やM&Aの仲介、買収監査、財務支援、会計監査などの業務も行っている。

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