2024.10.11
前申請なしで使える節税策!機械装置やソフトウェア導入時の「特別償却」とは?

はじめまして。税理士法人大下会計の公認会計士・税理士・行政書士の大下俊樹です。
日々事業を牽引される経営者の皆様にとって、「設備投資に伴う資金繰り」と「税負担の軽減」は非常に重要なテーマではないでしょうか。
今回は、機械装置やソフトウェアなどを導入した際に活用できる税制特例の中から、初期の税負担を大きく軽減できる「特別償却」の仕組みについて解説いたします。
中小企業投資促進税制(特別償却)の概要
中小企業者等が一定の機械装置やソフトウェアなどを取得・稼働させた場合、通常の減価償却費に加えて取得価額の30%を「特別償却」として損金(経費)計上することができます。
投資初期の法人税等の負担を大幅に抑えることができるため、本来支払うはずだった税金を資金として手元に残し、設備投資の資金回収(キャッシュフローの改善)に充てることが可能になります。
【注意点:税額控除との違い】 特別償却は「税額控除」とは異なり、税金そのものを免除・減額するものではなく、将来の経費を前倒しで計上する「課税の繰延べ(納税の先送り)」の性質を持つものです。
特別償却の主なポイント
税制を活用するうえで押さえておくべき重要なポイントは以下の通りです。
事前申請・認定が不要 経営力向上設備などの税制で求められるような、事前の申請や認定手続きは不要です。要件を満たしていれば確定申告時に適用できます。
適用対象となる主な資産(取得価額の要件)
機械装置:1台(または1代)の取得価額が160万円以上
ソフトウェア:1つの取得価額が70万円以上
車両運搬具:取得価額が160万円以上で、貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量が3.5トン以上のもの
適用にあたっての留意事項
特別償却の適用をご検討される際は、以下の点に十分ご注意ください。
1. 新品かつ自用(自社で使用)の資産であること
中古資産や、他者に貸し付けるための「貸付資産」は対象外です。新品であり、かつ自社の事業の用に供する資産に限られます。
2. 稼働日(事業の用に供した日)の立証
減価償却および特別償却は、対象設備を実際に稼働(事業の用に供)して初めて適用できます。 特に決算日直前に設備を導入・稼働させた場合は、税務調査等に備えて決算日までに稼働していたことを証明する資料を保管しておく必要があります。
立証資料の例:試運転時の議事録や日報、稼働状況を示す写真など
3. 税額控除との選択適用
本税制には「特別償却」のほかに「税額控除(法人税額の一定割合を控除)」の選択肢も用意されています(※資本金等により選択可否が異なります)。特別償却と税額控除は重複して適用することはできず、いずれか一方の選択となります。
4. 適用除外となる業種(医療機関など)
適用できる業種は限定されています。クリニックや医療法人等の「医療保険業」は適用対象外となっておりますのでご注意ください。
おわりに
機械装置やソフトウェアといった大きな設備投資は、適切な節税対策(課税の繰延べ)と組み合わせることで、事業の資金繰りを大きくサポートしてくれます。
設備投資をご検討中の経営者様や、申告にあたっての具体的な適用可否・税額控除との有利選択について詳しくお知りになりたい場合は、ぜひ一度税理士法人大下会計までお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。
<執筆・監修>

税理士法人大下会計 公認会計士・税理士・行政書士 大下 俊樹
大学在学中に公認会計士試験に合格し、BIG4であるKPMG有限責任あずさ監査法人で上場企業や金融機関、自治体などの監査業務に従事。
大下会計では、上場企業や卸売業、メーカー、医療法人など様々な業種の税務顧問業務を行い、組織再編やM&Aの仲介、買収監査、財務支援、会計監査などの業務も行っている。
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