2024.10.11
【税理士が解説】経営セーフティ共済(倒産防止共済)で賢く節税!メリットと令和6年改正の注意点

こんにちは。税理士法人大下会計の公認会計士・税理士・行政書士の大下俊樹です。
日々、事業の成長や資金繰りにご尽力されている経営者の皆様にとって、「手元に資金を残しながらリスクに備える」ことは極めて重要な命題です。
今回は、中小企業の経営防衛策であり、かつ効果的な節税手法としても知られる「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」について、制度の概要やメリット、そして必ず押さえておくべき最新の注意点までをわかりやすく解説します。
経営セーフティ共済(倒産防止共済)とは?
経営セーフティ共済は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。
主な特徴は以下の通りです。
無担保・無保証で借入れが可能 取引先が倒産した際、無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで無利子で共済金の借入れができます。
掛金を全額損金(必要経費)算入できる 支払った掛金は、法人の場合は全額「損金」、個人事業主の場合は「必要経費」に算入できるため、高い節税効果(節税による手元資金の確保)が得られます。
主な制度内容と加入のメリット
1. 柔軟な掛金設定と前納制度
掛金額:毎月5,000円から20万円まで(500円単位)自由に設定できます。
前納:1年間の範囲内であれば、掛金をまとめて前納することが可能です(前納分も損金算入の対象となります)。
積立限度額:掛金の累計で800万円まで積立てが可能です。
2. 解約手当金(返戻金)の還元率
一定期間以上積立てを継続することで、解約時に「解約手当金」を受け取ることができます。
40か月以上掛金を納めれば、解約手当金は100%(元本保証)返ってきます。
経営者が知っておくべき重要な注意点
節税効果が高い一方で、以下の注意点を正しく把握して運用する必要があります。
① 元本割れのリスク
自由解約自体はいつでも可能ですが、納付期間が40か月未満で解約した場合は解約返戻金が元本割れします(特に12か月未満での解約の場合は0%となります)。短期的な出口戦略なしの加入は避けましょう。
② 解約時の益金算入(税金が発生する)
受取った解約手当金は全額「益金(雑収入等)」に算入されます。税金が免除されるわけではなく、「課税の繰延べ」である点に注意が必要です。退職金の支給や大型設備投資など、大きな損金(費用)が発生するタイミングに合わせて解約するのがセオリーです。
③ 【重要】再加入時の損金算入制限(令和6年10月1日以降の改正)
過度な利益操作(税逃れ)を防止する観点から、制度が改正されています。 令和6年10月1日以降に共済を解約し、その後再加入した場合、解約日から2年を経過する日までの間に支払う掛金は損金算入できません。「決算期末に解約してすぐに再加入する」といった手法は使えなくなっていますので十分ご注意ください。
④ 対象外となる業種(医療法人など)
医療法人は本制度の加入資格対象外となっているため、加入することができません。事前に自社が加入対象の中小企業者に該当するか確認が必要です。
税理士からのアドバイス
経営セーフティ共済は、取引先の倒産リスクに対する「お守り」になりつつ、突発的な利益が出た年の節税・資金留保手段として極めて有効です。ただし、「解約する出口のタイミング」と「再加入時の2年ルール」を踏まえた計画的な活用が不可欠です。
「自社の場合、いくら積立てるのが最適か?」「解約のベストなタイミングはいつか?」など、具体的な節税シミュレーションや事業資金の防衛策についてご不明な点がございましたら、ぜひ税理士法人大下会計までお気軽にご相談ください。
経営者の皆様の持続的な成長を、会計・税務のプロフェッショナルとして全力でサポートいたします。
<執筆・監修>

税理士法人大下会計 公認会計士・税理士・行政書士 大下 俊樹
大学在学中に公認会計士試験に合格し、BIG4であるKPMG有限責任あずさ監査法人で上場企業や金融機関、自治体などの監査業務に従事。
大下会計では、香川県高松市の上場企業や卸売業、メーカー、医療法人など様々な業種の税務顧問業務を行い、組織再編やM&Aの仲介、買収監査、財務支援、会計監査などの業務も行っている。
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